revive 3

#92のフロントゼッケンが、バックストレートを跳ね上がり、砂塵を散らして駆け抜ける。そして、インフィールドを逆さに走るRM。少しずつ出会うタイミングが手前になってくる。周回ごとにじりじりと引き離されていく感覚、それは向こうもわかっているはず。一気に疲れるパターンだ。それでも簡単に楽にさせるわけにはいかない。午前中に封印していた全開でインフィールドの直線を駆けると、シフトをミスしてニュートラルに入った2ストローク85ccエンジンが、盛り上がったカーブのエッジに突っ込んでいく。慌てて引いたブレーキレバーが乾いた路面をつかみ、どうにかコースの中にマシンを留めてくれる。これでまた、#92が遠くなった。

<つづく>