revive 4

第1コーナーの出口に反るテーブルトップ。2速で跳び上がっていたその斜面の途中で、2ストロークエンジンは吹け上がり、シフトアップを要求してくる。第2コーナーを抜け、迫るテーブルトップの手前で3速に蹴り上げて跳び出し、下りの斜面から右に大きく回る第3コーナーの入り口で、2速に落とし、フープスに突っ込む直前でまた、3速に放り込む。まったく忙しくなってしまったのは、真新しいピストンのせいか。ビッグテーブルを越えて直線を駆ければ、まだ馴染めないワダチの陰がそんな元気なRMを待っている。

林の暗がりから光る路面に飛び出して、バックストレートの終わり。ちょうど出会うはずの青いマシンが・・・今度は見えてこない。「やったか?」とヘルメットの中、一瞬口元がゆるむと、最終コーナーをずいぶん手前から、十分過ぎるほど減速して回り始める。これで終わり。3速に入ったままのエンジンを半クラッチで立ち上げると、目の前に#92を着けたマシンと、シートに跨がったままうなだれる人影が映った。もう少し一緒に走っていたかったけど、今日はここまでらしい。最後まで尻尾はつかめなかった。

それでもマシンの仕上がりは上々、追い続ける気持ちも戻ってきて、まんざらでもない。わかる人だけがわかる、ささやかな優越感を抱えて一周、余計に回っていたら・・・インフィールドで、不意に4ストロークの音がかぶさってきた。

<つづく>