再会

最終コーナーの立ち上がりを横切り、第2コーナーの外からフープスの出口に向かって駈け上がる。やわらかな土だまりにスニーカーの底を取られないようにゆっくりと、それでも大股に歩いていくと、第1コーナーを回る4ストロークが近づいてくるのに間に合った。短いテーブルトップを二つ、得意の左コーナーでつなぎ、着地したあとですぐ右に翻して、波打つ路面にマシンを正対させる。そして、こちらを一瞥すると、開いたスロットルの勢いそのままに一度もフロントタイヤをくぼみに落とすことなく、目の前を走り抜けていった。見覚えのあるCRF150RⅡが、#148のゼッケンをサイドカバーに踊らせながら。

<つづく>