憂いなき休日 4

「ベスコンですよ~♪」

空はまだ曇り空。まだ水気につつまれたこの朝に、もしかしたらあきらめるかと思っていた師匠から、師匠らしいコメントが届いた。左腕にはめたG-SHOCKに目をやると、針がきれいな逆L字を描いている。午前9時。いつもならもう、Bongoのエンジンを落としている時間だ。パドックに降ろされているだろうKX85-Ⅱ改を思い浮かべては、急かされるようにアクセルペダルを止まるまで踏み込む。谷田部のテストコースをまたぐ陸橋の上、ようやく筑波山が、晴ゆく霞の中に姿を見せ始めていた。

ベスコンと言うには遠い、ゆるんだ褐色の上でmatsunagaさんに会えたのは・・・9時30分を少し回った頃だった。

<つづく>