松戸

行き先はとても喜ぶべき場所ではなかったけれど、初夏の陽射しあふれる街並みを端から端まで巡り、ひさしぶりにワクワクした。桜並木を通り、渋滞が名物の交差点を曲がり、見覚えのあるバイクショップの栄枯盛衰を眺めながら一桁国道を走る。終のマシンにイタリアンレッドを選ぶなら・・・・・・と楽しみにしていた老舗を覆うグレーのシャッター。その静かな冷たさだけが、瞳の奥に残される。

多くの時間を過ごした彼の地は、抜け殻を置き去りにして、脱皮を繰り返していた。