冒険 1

「夕べに準備しておくべきだった」と悔いながら、もう一度瞳を閉じる。それから一時間。週に一度の安息日、外からの照り返しが、薄いカーテンを越えて部屋を明るくする。ようやく半身起こして、この晴れた日曜日を逡巡・・・・・・モトクロスの身支度を思い、空荷のトランポに気持ちが萎えていくのを止められない。寝しなの思いとは裏腹、いったいどうしたっていうのだろうか。自分にもよくわからない感情。それでもベッドから這い出ると、ちぐはぐな足取りで、階下へと下りていく。

つづく