前夜

整形外科の階だけあって、あちこちにバイタリティが散らばっている。談話室から望む久喜の郊外には、緑の稲田が風にそよぎ、その背を左右に高速の高架が貫いている。やさしくもしっかり味の入った夕餉を一気に平らげ、消灯前、担当の一年生看護師に「明日もよろしく」と声をかける。

この期に及んで弱気になるのは・・・・・・アルコールも無しに、今から眠れるのかということ。まあ、部屋の電気も消されたし、横になって朝を待つことにしよう。