「小さな“幸福”」と一緒だと電車も悪くないね

昨日は車を取りに戻らず、そのまま帰ってしまった。なので、久しぶりに野田線で出勤だ。田園の中を行く単線の下り車両は、駅に着くたび冷たい空気に入れ替わり、なかなか身体が弛まない。右に左にと揺られながら気持ち良く朝寝したいのに、ちっとも寝付けない。ちょっと損した気分になる。

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で、寒いのをごまかすように顔を上げてみると、車両が色づき始めているのに気がついた。ビビッドなオレンジのジャケットや透け感のある薄い黄色のフレアスカート、明るいグレーのスーツなどなど。ついこの間までモノトーンだらけで沈みがちだった車両にも、春が近づいているのが感じられる。

その多くはやはり女性、ふと隣の女性の指先に目をやると、桃色のグラデーションに銀のラメが散らしてある。そこだけ桃源郷のようだ。隣がそんな女性だというだけで、少し得した気持ちになった。単純だね。

その小さな“幸福”は短く終わり、ほどなく野田線は終点に到着。車両から老若男女が噴き出されていく。その波に後れをとるワタシだが・・・「たまには電車も悪くないかな」と満足げ。「小さな“幸福”」の余韻のせいだ、きっと。