できるものならSchwantzのように駆け抜けたい

「優勝かリタイヤか」「無冠の帝王」「Flying Texan~テキサスのカッ飛び野郎」。言葉の持つ響きを、素直に“カッコイイ”と感じていた若き日々が思い出される。“RACERS”シリーズの最新刊、『レーサーズ Vol.3』は待望のΓ特集、というよりもSchwantz一色で綴られている。ページをめくるたび、テキストを追いかけるたび、’88のRGVに乗っていた頃に戻っていくようだ。

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すっかりモトクロス三昧の今は、MotoGPを見ることも少ない。記憶は“世界GP”で止まっている。2スト500ccが「最高峰」だと信じて疑いもしなかったアノ頃、恥ずかしながらmyΓは、1アップ5ダウンだった(Schwantzとは違うけど)。乱暴なSchwantzのライディング、技術云々ではなく「気持ち」がめいっぱい出ているところがたまらなかった。公道で意味もなく繰り返していた「スタンディング・ガッツポーズ」も、今だったら、もう少し“格好良く”できるかな?長身を折りたたむようにしてリフトを抑えながら立ち上がっていくSchwantz。その後ろ姿からは、悲鳴のような排気音が聞こえてくるようだ。今となってはチャンバーから吐き出す白煙なんて、モトクロスでもなかなかお目にかかれない。

モトクロスの世界も、あっという間に4ストに席巻されてしまった・・・。4ストマシンの重厚な音に混じって、ひときわカン高く響く2ストロークサウンド。白煙をまき散らす「旧車」と言われても、ワタシはRMに乗り続けたい。いつの日かMX408をSchwantzのように駆け抜けるために・・・せめて「気持ち」だけでもね!