花の命は結構長いもの?

西の空にまだ太陽が浮かんでいる。やや横長に見えるのが、いかにも夕陽らしい。そんな落日を眺めながらの帰り道、日が延びたとはいえ、今日はかなり早目の帰宅だ。

秋だけじゃない、いつの季節も夕陽は一気に落ちていく。西に向かって走る車内からは前方やや左手、目線の少し上に佇んでいる太陽。前の車に気を取られていると、あっという間にその半分近くを西の底に隠してしまった。そのままゆっくりと消えていく様に、散りゆく桜が重なる。道端に咲く菜の花は、そんな儚さに背を向けるように、まだまだ黄色の花を風に揺らしていた。

帰路のちょうど真ん中辺り、すっかり日の暮れた通りから、丘の上の「ログハウス」に車一台分ほどの道が続いている。両脇の芝桜が鮮やかな桃色で、その道筋をたどっている。本家と違い、濃い花の色を楽しませてくれる芝桜、菜の花もそうだけど、この花の命も結構長い。おまけにその色味の艶やかさと言ったら・・・菜の花よりも強烈かもしれない。何とも存在感のある花だ。

自宅に帰ってきたのは、ヘッドライトが明るさを増して夕闇が迫る頃。見上げれば、空にはまだ青さが残っている。明日の晴天を予感させる、雲のない丸い空だった。