後悔先に立たず・・・なので“写真”がない

曳舟で「浅草行き」から「中央林間行き」に乗り換える。春日部で一本待てば“直通”の田園都市線に乗れたものを、わざわざ“浅草”行きを選んだのには理由がある。スカイツリーだ。曳舟からだと大きく映るだろうし、直通ではじっくり見られないと思ったわけだ。写真も撮りたかったし。

「浅草行き」が曳舟に到着。通勤時間帯から少し外れているせいか、後から来る田園都市線を待つことに。おかげでスカイツリーを楽しむ時間ができた。鞄からデジタルカメラを取り出して、ホームをぶらついてみる。さすがにここから眺める姿は迫力だ。ツリーの真ん中に白っぽい“芯”のようなものがあって、その周りを網目模様が取り囲んでいる・・・建造物としての細工も、ここからだとよくわかる。意外だったのが、思いの外、街の雰囲気に溶け込んでいることだった。ホームに佇む眼には、緩やかに下りながら蛇行する線路に点在する背の低いビル、遠くアサヒビールの社屋が映っている。スカイツリーは、そんな“変わらない”景色の真ん中に建っているように見えた。そして、その“景観”には、不思議と違和感がなかった。案外下町に似合う「建築様式」なのかもしれない。

まばらとはいえ、スーツ姿で田園都市線を待つ人たち・・・あまりにも整然としている人たちを前に気恥ずかしくなって・・・デジタルカメラを構えられなかった。今になって・・・「後悔先に立たず」。近いうちに用事を作って、また来ることにしよう。できれば晴れた日の午後にでも。