志賀高原とはいえ・・・この時期に雪はないでしょう

黒くて厚みのある雲が西から空を覆っている。陽射しが遮られているからか、朝に比べて一層冷やかな空気に包まれている気がした。今日の相棒はXR230、急開についてこられないのは、やっぱりクラッチが滑っているのだろう。さらに優しいスロットルワークで“エコドライブ”が実現できそうではあるけれど。

田園風景の中、西に向かってXR230を走らせる。遥か右手に・・・富士山が見える?!いやいや、そんなことはない。本物は左手、雲に隠れているはずだ。「もしかして蜃気楼?」と思うほど、その輪郭はそっくりだった。鮮やかな杏色に、富士の影絵が浮かび上がっている。シルエットの正体は那須の茶臼岳だ。澄んだ冷たい空気の演出だろうか、とても近くはっきりと映っている。引き換えにジャケットの内側が、風に煽られて冷たくなっていた。

群馬の山沿い、志賀高原では30cmの積雪を記録したという。それもそうだろう、朝方に見た富士の頂には、たっぷりと雪が残っていた。いつもの年よりもちょっとだけ多いような・・・強い冬型に逆戻りした今日、どうりで下界も寒かったわけだ。