ヒルルクが正しければ・・・ロニーは死んじゃいない

「人はいつ死ぬと思う・・・?」「・・・人に忘れられた時さ・・・!!!」。漫画『ONE PIECE』の中でも大好きな一人、Dr.ヒルルクの名台詞だ。人が忘れない限り、その人の中に生き続けられる・・・たしかにそうだ。この“ヤブ医者”の言うことは正しい。そう、だからロニーは、まだ死んでなんかいない。

16日の早朝、ロニー・ジェームズ・ディオがこの世を去った。享年67才、胃がんと闘った末のことだという。一般紙の三面にも登場するのだから、思っているよりも遙かに偉大なボーカリストなのだろう。ワタシにとってのロニーといえば、元“RAINBOW”のボーカル・・・高らかに『MAN OF THE SILVER MOUNTAIN』を歌うロニー・ジェームズ・ディオだ。

長めのカーリーヘアに彫りの深い小振りな顔立ち・・・『バビロンの城門』で初めてRAINBOWに触れたワタシにとってロニーは、想像していた“中世ヨーロッパがもつ不気味さ”を伝えるのに十分な風貌だった。新聞に小さく載っていた写真も当時の雰囲気そのまま、彼ほど“断崖に立つ古城”が似合う人はいないんじゃないかな?楽曲自体も中世を強く意識していたはずのRAINBOWだけど、翳りとチカラが調和した“震える”ようなロニーのボーカルがあって初めて、あれだけ完成されたバロック調の“音”を演出できたのだと思う。そのロニーの死を、我らがポール・スタンレーも悼んでいる。「ロニー、愛してる。忘れないよ!」と。ワタシも忘れることはない、だからロニーはワタシの中で生き続ける・・・そう、エリック・カーように。

歴代KISSのドラマーの中で一番“愛してる”エリック・カー。小さな身体で踊るようにスティックを操る鷹は、ロニーに負けず劣らずの“小顔”の持ち主だ。特に気に入っているのが『Black Diamond』でのドラミング。コーラス後なんて、エリック・カーにしか叩けない“ツーバス”の格好良さ。数少ないライブバージョンでしか聞けないのが残念だけど、しゃがれた声を懸命に張り上げるエリック・カーも、ずいぶん前から永遠の存在になっている。でも、その輝きを失うことはない。

・・・そう考えると音楽の力ってすごいね、大したもんだ。“音楽家”じゃないワタシにできそうなことといえば・・・「まったく!!!!いい人生だった!!!!」と、こんな感じに“最期”を締めくくるぐらいか?いやいや、これも実際やるとなるとかなり難しい・・・Dr.ヒルルクのように格好良く終わらせたいけど・・・どうかな?ひとつ言えることは、そういう気持ちを忘れずに、ずっと持ち続けていたいということ・・・グッバイ&サンキュー、ロニー!