雨の季節がやってくる・・・できればその前にひとっ走り!

灰色の雲に囲まれた朝、湿った風がまとわりついてくる。風を受けて走るにつれてジャケットやパンツが湿り気を吸い込んで、身体全体が重たくなっていくよう。べたついた風が、雨の季節の近いことを予感させる。

夕暮が迫り、昼間の太陽は雲に隠れてしまった。薄墨のぼかし絵が、頭の上から見渡す限りの田園を包みこんでいる。朝とさほど変わらない風が、水田の稲を撫でるように渡っていく。さらに湿気を帯びて冷たい風となって・・・。

うっすらと灰を敷きつめた空に、輪郭のある雲はなくなっていた。黒と青を混ぜた迫力のある色調もなく、にわか雨を気にする必要はなさそうだ。明日は仕事も休みだし、急ぐことはない。XR230が気分良く走る速度域、制限速度+αで、坦々と家までの距離を詰めていく。

家に着くと、「雨の降り出しが少し早まるようだ」と、気象予報士が話していた。肌が感じ取った“季節感”のとおりだ・・・。晴れの天気は明日で終わり、日曜日には小さな傘マークが付いてしまっている。週末、その日曜日を練習日に充てているTEAMナノハナ。梅雨入り前の太陽は別のことに使うとして・・・できれば夕方まで降らずに我慢していてほしい。そう、RMとKXを荷室にしまい込むまで・・・。