降っても照っても文句が出るのは・・・裏目に出てるから

すっかり雲が消えて青空が広がる始末。雨の準備をあざ笑うかのような梅雨空に、気分はちょっと複雑だ。降らないのはうれしいんだけど、“用意周到”な今日は雨が欲しかった。「雨の特異日」らしいけど・・・統計なんて当てにならないね。

睡魔降臨の昼下がり、冷房の効いた部屋から眺める窓の外は、明る過ぎるほど青かった。建物の隙間から覗く晴れた空が何とも恨めしい。傍らに薄茶色の傘が一本だけ、椅子の背に立てかけられていた。

PCのキーボードから手を外して、机の脇、買ったままで積みっぱなしの本に伸ばす。気分転換とばかりに一冊を手に取り、パラパラッとページをめくってみた。空調の風に乗って、かすかに紙とインクの匂いがする。まるで本屋さんに居るみたい、好きな匂いのひとつだ。

買っては溜まっていく本・本・本。巷では「電子書籍」が花盛り、たしかに場所もとらないし、ワタシのような“積ん読派”にはいいかもしれない。ただ、触覚と嗅覚を刺激する紙の本も・・・やはり捨てがたい。紙をめくる感触と漂うインクの匂い・・・まだまだ紙の本に愛着のあるワタシが“電子書籍”を読むのは・・・まだまだ先のようだ。

夕方になって梅雨空が戻るものの、ついに傘が開くことはなかった。Bongoのフロントガラスも乾いたまま。帰り道、「XR230でも良かったなー」と思い始めた瞬間、大粒の雨が落ちてきた。家まであと数km、一瞬にして土砂降りの激しさ、アスファルトの上に雨水が川のように流れている。少しばかり激し過ぎるけど、望んでいた雨に喜々として帰宅・・・「雨の特異日に偽りなし」ってところだ、やったね!