MX版“夏フェス”in谷田部・・・真夏を右肩に刻みこんで(続き)

昼休みになってすぐ、南風に流され落ちてきた雨も、気がつけば止んでいた。ちょっと気を揉んでいた台風の雨はまだ大丈夫そうだ。セヌーさんを入れても“ほぼ身内”という状況が、パドックにのんびりした雰囲気を漂わせている。1時も過ぎてから徐にウェアやブーツを身につけて・・・ようやく午後の走行が始まった。

午前中でほぐれた身体が心地よい風に洗われて、みな調子が上向きみたい。思い思いに攻めた感じでコースを走り込んでいる。dan-cho、iguchi師匠にryoやざりままも交ざって、5台入り乱れてのプチバトル。お互いを“待ち伏せ”しては突っついたり突っつかれたり、気が置けない身内ならではの練習風景だ。そんな中、元IBの駆るCRF150RⅡだけが、次元の違う走りを披露しているはずだったのに・・・。

課題の“4連”を引っかかりながらも駆け上がると、右手のテーブルトップの頂上でiguchi師匠が左右に大きく手を振っている。後ろで突っついていたryoに片手を上げて合図、スローダウンしてテーブルに上ると、ざりままさんとコース脇に倒れたYZ。その手前には150の上でうずくまっている元IBの姿が・・・「あれれーっ、やっちゃった?」と、二人の横を通り過ぎていく。一周して戻ってきてもまだコースサイドで息を整えている。かなり激しく転倒したのは疑いようもない。結局コースには戻らず、そのままパドックへと引き上げていった。

右肩をマシンにぶつけたらしく、アイスパックで肩口を冷やしている。関節が外れている風ではないが、素人目にも左右非対称な骨組み・・・打撲だけでは済みそうにない感じだ。痛みが走るのか時折顔をしかめるものの、転んだ直後と比べたら元気になったようで「ヒート練習やるよ」「明日も走るからね」と生きのいい台詞を繰り返している。そんな姿に安心したみんなが、再びコースへと戻っていった。

<次回、最終話に続く>