MX版“夏フェス”in谷田部・・・真夏を右肩に刻みこんで(最終話)

「見られているって、良いね!」・・・ヘルメットを取るとうれしそうにつぶやく。コースアウトしてきたryoの第一声だ。ショートカットして何回も何回も走る姿を、machi-sanと二人で眺めていたのに気分を良くしたのだろう。元IBの熱い走りに触発されたか、それともさやちゃんの走りが記憶に鮮明なのか、スロットルを開けながらアウトバンク一杯に走り抜ける練習を繰り返していたryo。「肋骨が心配だから転けないように走っている」とは思えない激しさ。そのコーナーリングは・・・悔しいことに、何となく様になってきていた。

そんな走りに刺激されて・・・今度はこちらの番だ。machi-sanと二人、ショートカットしてアウトバンクを交互に攻めていく・・・けど、なかなか思い描いている走りにならない。途中「元IBは開け始める位置がもっと手前・・・この辺だった」と、コースに入り込みストレートエンドを指さして“熱血指導”のryo。きちんと「見るべきところを見ている」のが、ryoのいいところ。“反復練習”に飽きたら、dan-choやiguchi師匠を見つけては追いかけて・・・そんな“我がまま”を続けていると、時刻は午後3時を回ろうとしていた。

すでにパドックに元IBの姿はない。それまで我慢してくれていたのか、静かに雨が降り出してきた。いい時間だし、ryo+150とdan-choが最後を締めて、夏フェスもお開きとなる。木立の陰で雨をしのぎながら帰り支度、走り始めと同じく、のんびりしたものだ。行きと変えてCRFをBongoに積み込んでいると・・・運転席で携帯が鳴り始めた。「ボッキリ折れていました・・・」。元IBからのお知らせは、「やっぱりね・・・」と、みんなが納得する結果だった。まあ、入院や手術にはならなかったみたいだから、それだけでも良かった、良かった!

キャリーにKXとRMを載せて撤収が完了。Bongo、キャリーの順でコースから田んぼ道へと降りていく。いつもの顔ぶれだけど、いつもと違う場所・・・新鮮で面白い練習ができた気がする。22歳を迎えたryoも満ち足りた気分の一日、「完治したら、また企画してねー」・・・待ってるからね、○○○○さん!