忍者と『源流まつり』と大福売りの娘さんと(続き4)

<8/7の続き・・・最終話まで、あと少し?!>

※今日8/21は榛名でぐったりするまで走っていました・・・kappaさんの話など詳しいところは、また後日!

校庭のような「第一スポーツ広場」は、祭りのメイン会場らしく、多くの人で賑わっていた。広場の縁には隙間なくテントが建ち並び、威勢の良い声と共に、せわしない様子で蕎麦や炊き込みご飯を手渡ししている。中央にはステージ観覧用のパイプ椅子がぎっしりと並べられ、人いきれに疲れた人、食べ物を口にする人、談笑する人が腰掛けている。そんな中、「kotume-chanはどこかなー」と、歩きながらテントをひとつひとつ確かめていくと・・・「大福餅準備中」の案内が出されたテントを発見!いるとすればココだ!とテントの中を覗いてみると・・・みなさん奥で大福作りの真っ最中。うつむき加減で手を動かしているので、誰が誰だかよくわからない・・・。中に入っていくのも気が引けるし、とりあえず携帯を鳴らしてみることに・・・。

プルルルルル・・・「ハイッ!」。聞き覚えのある“子どもの”ように明るい声、“kotume-chan”だ!「どこ?どこ?」と大福売りのテントを探してみても見つからない。向こうもワタシを見つけられていないようだ。「えっー、変わっちゃいました?」って、正体がわからなくなるほど変わったつもりはないけれど・・・。かみ合わない会話をしながら首を左右に辺りを見ていると・・・いた、いた!本物?!の“kotume-chan”だ!大福売りのテントの前で「あっははは」と、口を大きく広げて、笑いながらワタシを指さしている・・・。携帯を切るのも忘れて、お互いに「あぁ-っ!」・・・数年ぶりの再会なんて、案外こんなものなのかもしれない。

縦縞のエプロンにパンツ姿、少し色の付いた髪が赤いバンダナで束ねられている。目尻にちょっとだけ年を感じるけど、鼻の頭に大福の白い粉を着けているところなんか昔のまんま、少しも変わらない。あけすけにものを言い、笑い、時たま“バシッ”と肩を叩く・・・一緒に仕事をしていた頃に時間が巻き戻されてしまったかのようだ。他愛のない話で盛り上がっていく二人の横で、愛想笑いしかできないu-chanが絡みにくそうにしている。時が戻っていくにつれて、気分が軽くなっていく気がした。