ちょっと柔らかいけど・・・申し分のない“全開ワールド”に全員満足!~その4

<昨日の続き>

しばらく単騎でコースを駆け回る。粘土質の路面と違って、慣れてくれば重馬場もご機嫌に映る。轍が出来てもタイヤの一蹴りで砕けるほどだから、嫌になるほどのこともない。駆動力を奪われる分、かえって全開にしやすいし・・・山砂に覆われたココならではの、いい湿り具合だ。最終コーナーを立ち上がってロングジャンプ・・・チラッと右に目をやると、パドックにCRFが戻っていた。

テントが作る日陰の中、いすに腰を下ろして汗を拭っている三人。「どう?楽しいでしょ?」と訊ねると、口を揃えて「怖くて、開けらんないし!」・・・。ヘルメットを脱いで冷えたスポーツドリンクを飲み干すと、三人のグチにも似た所感をたっぷりと聞かされることに。暴れる車体に、どうしてもスロットルが開けきれないようだ。ミニモトとは違う暴力的な加速、それに車体の大きさと重さが加われば・・・そうそう簡単に開けられないか。おまけに路面もかなりユルいときたら、三人が音を上げてしまうのもわかる気がする。

ただ、怖いと言っても、そこはモトパーク森。走っているうちに“全開Virus”が徐々に三人を冒し始めたようで・・・コースにいる時間が、段々と長くなってきていた。気がつけば昼まであと少し、「昼飯前にもう一本」と支度をしていると、先ほど挨拶を交わしたハイエースから後方排気のYZ450Fが降りてきた。「一年振りです・・・ずいぶんご無沙汰しちゃいました」。年のころはokano師匠ぐらい、どこかのコースで一緒に走ったようだけど、どうにも思い出せない。ただ、見覚えがあるのも確か・・・誘われるまま連れ立ってコースイン、YZ450Fに突っつかれながら午前中最後のクールが始まった。

<450との思わぬバトル練習にFMXの妙技・・・盛りだくさんの午後へと続く>