テーマは全開!夏フェスと福島遠征の成果は如何に?!~練習走行編1

大きいのと小さいのと、もっと小さいのと・・・3クラスで、それぞれが20分を3回ずつ、合計1時間の練習時間が用意されている。練習とレースを“お値打ち”で楽しめるのがイバMOTOのいいところ。いつもと同じ9時からフリー走行が開始、最初は“大きいの”の、フルサイズクラスからだ。

サンデーとオープンとの混走で台数は多いはずなのに・・・コースから聞こえてくる排気音はまばら。みんな路面がしっかり乾くのを待っているようだ。でも、リヤタイヤが空転して吹け上がる音も聞こえないし、戻ってくる車体にも泥があまり付いていない。「もしかしたらベストコンディションかも?」・・・そんなささやきがパドックに広がると、様子見していたライダー達がこぞってエンジンを始動、ざりパパさんも慌ててコースインしていった。台数も増えて、パドックの賑わいがそのままコースに花開いた感じ、気分も盛り上がってきた。

フルサイズマシン達が帰ってきて・・・9時20分、いよいよ“小さいの”の出番だ。戻ったばかりのライダーに訊くと、立ち上がりで滑るところがまだ残っているらしい・・・。待ち切れない様子のryoがKXとともにコースへと加速していく。その後ろ姿を見送りながらゴーグルをヘルメットに合わせ、右手でゆっくりとRMのキックペダルをつまみ出す。右足の裏にペダルを当てて、すっと踏み下ろすと・・・割とあっけなくエンジンが目覚めた。少しだけ暖機をして、パドックからコースへ・・・。背中の後ろから、上り勾配を駆け上がるKXの甲高い排気音が流れてきた。

二か月振りのホームコース。いくぶん緊張しながらスタート地点に入ると、iguchi師匠が黄旗を振ってコースインの合図だ。「遠征してきたんでしょ~走り込んできたんでしょ~」と言わんばかりの挑発的な微笑みに、スロットルを握る右手が強ばって、思わず力が入ってしまう。大きく息を吐き出し、スタンディングで最終コーナーのバンクを辿っていく。両足を載せたステップが細かく上下に動いて、カチッとした路面の感触を伝えてくる。固く締まった路面に浮かぶ砕石、ストレートの先に続く滑りやすいフラットコーナー、そして連続する大小のジャンプ・・・RMのタイヤが掴んでいるのは、紛れもない、走り慣れたMX408だった。

<次回に続く>