テーマは全開!夏フェスと福島遠征の成果は如何に?!~レース編4

<10/2の続き・・・レースも佳境に!>

気がつけば、視界に入る後続車は1台だけになっていた。ただ、この赤いマシンがokano師匠の駆るCRF150RⅡなのが厄介だ。どうにも気になって仕方がない。向こうからは見えないはずだが、坂の底を左に曲がろうとするワタシの瞳には、登り勾配に入っていこうとする師匠の姿がはっきり映っている。150独特の太い排気音が妙に近く聞こえるのは、百戦錬磨の気迫を感じるからだろうか。実際の距離は離れているはずなのに・・・。

コーナーを折り返す度に覗く、赤い車影・・・。しかし、その影に怯えながらの周回は、長くは続かなかった。ロングテーブルを越えて連続ジャンプ、最後の短いテーブルトップを跳び上がると、フープスの入口で黄旗を大きく振っているコースマーシャルの姿が目に入る。そのまま走り続けると・・・いつしか背中に感じていた気配が消えていた。最終コーナーを立ち上がりながら、大きく首を動かしてホームストレートを確認してみる。・・・と、CRF150RⅡの姿が見えなくなっていた。黄旗はokano師匠の転倒を知らせていたのだ。これで、一気に楽になった。コースサイドの声援にも、顔を向けて応えられるぐらい、気持ちに余裕が出てきた。

#172の相方さんが、フープスの出口で「OK、OK」の合図、“これ以上は考えられない”という場所で声援を送ってくれている。さすがにレース慣れしているといったところか。奥に向かうストレートの立ち上がり、今度は常連さんが両手を下に動かす仕草で「抑えて、抑えて」の合図。軽く頷いて、気持ちゆっくりとスロットルを開けて加速する。背後を脅かす追っ手もいないし・・・てっぺんが微かに見えてきた。後は自分との戦いかもしれない。

<このままフィニッシュできたのか?!・・・結末は次回に!>