さしずめ“神在月”のコースは、変わらぬ雰囲気で走り応えも十分!~黄神の最後編

CRF150RⅡの赤い車体が小さくなっていくのと入れ替わるように、2ストロークの細く乾いた排気音が背後に迫ってきた。ワタシと同じRM85L、同じ10モデルを駆る#101の神だ。ロングテーブルの手前で、インから刺してきた。ステップダウン、テーブルトップを接近したまま越えて左コーナー・・・先行するRMが、コーナーの出口でルーストを上げて加速を始める。その立ち上がり、開け方、そして、車体の姿勢。見たままに真似ようとするが、思うようにはいかない。開け始める“位置”と開けている“時間”の差がわかっただけでも「良かった」と思いたいけど・・・その差が“まだまだ”なのは・・・やっぱり悔しい。

20分も、そんな“走り”に付き合わされれば、嫌でも“気持ち”と“身体”がずれていく。離れゆく神の黄色いRMに、「遅れまい」とリズムジャンプで“さお立ち”になるRM・・・。コーナーの立ち上がりでも平衡を失い、危うく路面にkissするところだった。右足を思いっ切り路面に叩きつけて何とか転倒を免れたものの・・・右腕の腕上がりはどうにもならない。saitoさんのチェッカーに何とか助けられて、右手を振りながらパドックに戻っていく。午前の走行枠が終わって昼休み、今日は、お決まりのカップラーメンが美味しい気温だ。

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青空に漂う浮雲を眺めながらウトウトしていると・・・“黄神”がやってきて、ワタシのRMを眺めまわし始めた。クランクケースカバーの塗装がはげていることを見つけられたので、「一回乗っただけなのに、すぐにはげちゃって・・・」と教えると、「やっぱりね」の一言。精度の出ていないボルト穴や詰め切れないキャブセッティング、おまけに11モデルが発売されないとあって、RMに少し嫌気が差しているようだ・・・来シーズンはCRF150RⅡに乗り換えると言う。マシンのセットアップなど、いろいろと教えてくれる貴重な存在だったのに・・・今度のMC最終戦が、RMを駆る姿の見納めになるようだ。薄目のキャブセッティングでご機嫌に走れるようになったのは、この神がいたからこそ。MC前にいろいろと教えてもらえるのがうれしかったのに・・・何とも淋しい限り・・・。