この歳で“前方宙返り”を披露すると・・・後が大変~前編1/2

携帯の電子音とほぼ同時に目が開く。まだ薄暗い午前5時50分・・・とりあえずryoの二の舞にはならずに済んだようだ。Tシャツの胸元がべっとり湿っているのが気になるけれど、痛みで夜中に起こされることもなく、いつもの月曜日が始まろうとしていた。嫌な悪寒は、すでに収まっている。スヌーズを止め、起き上がろうと左腕に力を入れたら、瞬間、耐え難い痛みが走って・・・起こした半身はベッドの上に逆戻り。仕方なく身体をくねらせ、転がるようにベッドの脇まで寄ると、今度は右足が曲がらなくて、うまく床に足を下ろせない・・・身体の痛みと不自由な動きに都合をつけながら、どうにかこうにか起き上がり、半歩刻みで1階へと降りていく。何とか仕事には行けそうだけど・・・先が思いやられる。

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青が色濃い空の下、saitoさんの「日中は暖かくなるようだし、コースもベストコンディションなので、絶好の練習日和になりそうですね!」という甘い言葉に誘われたのか、続々とトランポが集まってくるMX408。8時30分を過ぎた辺りから、パドックを埋めるトランポの数も急に増えてきた。約束していたiguchi師匠はもちろんだけど、久しぶりのdora-zeroが居たり、kusaba家のお二人がマシンを準備していたりで・・・今日も賑やかに過ごせそうだ。結構な台数が集まったところで、予想もしていなかった“3”クラス分け。一発目が例によってAクラス、急いで着替えて・・・いよいよ“チーム町内会”が揃いのウェアでMX408にデビューだ。

ワンコたちの散歩・・・思っていたとおりに、朝から大変な騒ぎ。まず、スニーカーを履こうにも、右足が痛くて曲がらない。ようやく外に出てみれば、ネロ&シロの“草むらへまっしぐら”の突進に、まったく抑えが効かない。リードが引っ張られれば、左肩が外れてしまうかと思えるほどの痛みに苦しめられて・・・・いつもの半分の距離を、いつもの倍の時間を掛けて廻ってくる。もはや、のんびりもしていられない。いつもより5分早く家を出て、駅に向かう。Bongoを5速に入れる時の、一度右に平行移動させてから前に倒す、そんなシフトレバーの動きに、左肩が泣きを入れてくる。

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造成されてから、まだ日の浅いフィニッシュテーブル。手前に刻まれる轍は、気になるほど深くなることもなくなっていた。ただ、跳び出し口の形状と斜面の“反り”具合が、ジャンプを跳びにくくしているのは確かだ。周を追うごとに表層の土がえぐり取られて、危険な曲線を描いていくフィニッシュテーブル。フルサイズクラスのマシンがスロットルを合わせる度に、そこだけ土が削り飛ばされて・・・ますます“曲率”は上がるばかり。危険なその曲線に乗ってテーブルを跳び出すと、思いっきりリヤタイヤが弾かれて上空に放り出され・・・そのままフロントタイヤを下にして落ちていく。いわゆる「フロントロー」、前転の恐怖に、一瞬身体が強張ってしまうジャンプだ。斜面の左側に刻まれた真っ直ぐな轍は、危険な“罠”を仕掛けて、そんなジャンプを舌なめずりしているようだった・・・。

<テーブルに散った華は一体?・・・顛末は次回に>