この歳で“前方宙返り”を披露すると・・・後が大変~後編2/2

午前中の最終クールを走り切り、フルサイズの2クラスを見終えて昼休み。お決まりのカップ麺にお湯を注いで・・・陽射しをたっぷりと浴びながらの昼食だ。立ち込める湯気もすぐに消えてしまうほど、12月とは思えないくらいに暖かい。“1.5倍”の太麺をすすっている背後から、ブルのキャタピラ音が聞こえてくる。kusabaさんの一件もあったし、フィニッシュテーブル辺りを念入りに均しているようだ。いい感じ!ついでに少し埃が舞うようになってきたところへkudoさんが放水を始める。こちらは余計なお世話といった感じだけど・・・まあ仕方がない。

iguchi師匠と話し込んでいるうちに、すっかり昼休みも終わって13時。65マシンに跨り、パドックを走り抜けていくキッズ。その耳障りなくらいに甲高い排気音に刺激され、ようやくジャージを着始める。隣の師匠は、何やらフロントフォークの減衰をいじっている様子・・・散水直後だし、あまり乗り気ではないのだろう。そんな師匠をパドックに残して、ryo、dora-chanと一緒にコースへと走り出す。

saitoさんのアナウンスに嘘はなく、確かに“軽く”水が撒かれたコース・・・ただ、その“軽く”が曲者だった。コースに入る初っ端、最終コーナーも、表面だけが濡れて光って、簡単に車体を滑らせてくれる。ミニフープスを越えた得意の上り勾配でも、大きくリヤが流れて・・・もう少し右足が出るのが遅かったら、完全にアウト側の壁に激突するところ・・・危ない危ない。少し抑えて走りたいところだけど、後ろにdora-chanのCRFがぴったりくっ付いていて、速度を落とすわけにもいかない。均されたフィニッシュテーブルにも挑戦したいけど・・・最終コーナーで開け切れないから困ったものだ。

滑り出しが緩やかに感じられるようになった3周目・・・フィニッシュテーブルを跳ぶべく、ホームストレートから最終コーナーへと、いつもの感覚で突っ込んでいく。そのままスロットルを開けた次の瞬間だ・・・リヤタイヤが完全に横を向いて、車体が“平行”のままミニテーブルの斜面へと入っていく。テーブルを超えたと同時にハンドルバーが右に切れ込み、身体が思いっきり前へと投げ出された・・・ハイサイドだ。いつもならヘルメットから叩きつけられるはずが・・・頭を丸めて、そのまま“前方宙返り”。腰から地面に落ちていった。ずいぶんと冷静に反応できたものだ。ただ、脳震盪の代わりに、腿と肩を強烈に打ちつけたみたいで・・・しばらく立ち上がれないでいると、コース脇から駆け寄ったニセmanabuが、こちらを気遣いながら後続に合図をしてくれていた。

<このまま終わらないのがいいところ・・・最後は“番外編”ということで>