とりあえずは・・・人車ともに“養生”の年末

待ちにった“冬休み”。初日は、当たり前のように朝寝坊して、ベッドから起き上ったのは8時もだいぶ過ぎてからだ。枕元のカーテンを開け放つと、北に向いた出窓らしく、明るさだけを部屋に招き入れてくる。風があるのか、アスファルトの上を土埃が駆け抜けていた。関東の師走らしい、乾いた冬晴れ。寒さだけ我慢できれば、何でもできそうな気にさせてくれる、光溢れる眩しい朝だ。

今日の予定はマシンのメンテナンス。まずは到着して間もない、ryoの”FX=次期主力戦闘機”からだ。思いもつかない“メインフレームの断裂”・・・速さの代償と言えば格好はいいけど、原因は定かではない。思えば“全開”で走り回っていた夏、フロントフォークの整列がズレていた辺りから、ひびが入っていたのかもしれない。ともかく直すにしても、シリンダヘッドから冷却水も漏れているし・・・傷ついたKX85Ⅱを“完全”に元に戻すのは難しそうだ。見えないところを見逃す可能性だってある。その危険を嫌い、選んだのが・・・11モデルのKX85Ⅱという訳だ。

入口の扉を開けっ放しにして、ガレージにファンヒーターの温風を取り込む。寒さ対策は、これでばっちり。いつものオイルヒーターとは比べものにならない早さで、コンクリート打ちっぱなしのガレージが暖まっていく。新車にだけ許されたなめらかな艶、外装のプラスチックも、エンジンやフレーム、前後ホイールの金属部品も、表面が濡れているかのように艶やかに光を映し込んでいる。その綺麗すぎる外装を一つ一つ丁寧に取り外して、KX85Ⅱを丸裸にしていく。黒いフレームに黒いタンク、そして黒リム・・・全体を黒っぽくまとめた11モデルは、どこか“強面”な雰囲気を感じさせていた。

<眠くなってきたので・・・続きはまた明日!>