とりあえずは・・・人車ともに“養生”の年末~2

先代のKXから移植を予定しているPRO TAPAERのハンドルバー “Kaw-Mini”。RMの時と同じ作業は、ただ、同じような手間では済まなかった・・・カワサキ純正のハンドルグリップは“ガッチリ”とハンドルバーに貼り付いていて、まったく剥がれる気配がない。一体どんな接着剤を使っているのか・・・教えてもらいたいぐらいだ。グリップを抜き取る、と言うよりも“剥ぎ取る”と言った方が適当な、荒っぽい作業を続けているけどが、なかなか剥がれない。そんな“面倒になってしまった”作業と並行して、グリスアップするためにリヤサスペンションとステアリングステム周りをばらしていく。わずかな泥が落ちるはずもなく・・・こちらの作業は楽しい!の一言だ。

リヤサスペンションのリンクにスイングアーム・・・めったに外すことのない部品も、不自然な力を入れることなく、あっさりと外れる。レンチを通して伝わる新車ならでは感触は、何とも気持ちがいい。各部のベアリングも鈍い鉛色のまま、変な光沢が浮かんでいるところはないし、まさに“新品”の状態だ。うっすらと乗っていたグリスを丹念に拭き取ってから、MAXIMAのウォータープルーフグリスをベアリングの摺動面にたっぷりと乗せて、中指の腹でローラーとローラーの隙間から中へと擦り込んでやる。金属の塊には、これでもかと深い藍色が塗りたくられていき・・・艶々と煌めき始めていた。

新車に加えてryoと二人で分担しているせいか、午後からも作業は捗り、どんどん組み上がっていく。唯一“ハンドルグリップ”を除いては、だけど・・・。西の空にまだ昼間の明るさが残っている間に、ストリップ姿にまで戻ったKX85Ⅱ。慣らし前の“大仕事”は、これでほぼ完了だ。外装の取り付けとハンドルグリップの取り外しを後日にして、とりあえず作業は終了。CRF150R2の左隣に寄せて、ストリップのままセンタースタンドに乗せ直す。シュラウドが付いていないからか、先代よりも締まって細身に映るKX・・・これで足回りは完調、MX408を跳び回る姿が今から楽しみだ。