氷点下で始まった“冬フェス” in 谷田部~第三話

9時になったというのに、408組は誰も走り始めようとしない。一面に霜の降りたコースと指先が冷たくなるほどの寒さ・・・走り出すには、少し“勢い”が必要なのは確かだ。9時30分も回る頃になって、ようやく一台目がコースイン。先陣を切るのは、このところ練習に気合いが感じられるmachi-sanだ。今日の供は愛機KX250FではなくCRF150RⅡ。控えめな排気音を残して、木漏れ日の舞うコースへと消えていった。

サイティング?!を終えたmachi-sanと入れ違いに、“勢い”よくコースへと向かうワタシ。夏の盛りの頃はフカフカだった路面が、全域で固く締まった印象に変わっていた。そこに霜と霜柱・・・おかげで日陰は、いきなりタイヤを横滑りさせるほどに“チュルチュル”、散水直後のMX408よりも質が悪い・・・滑る感じが、半谷モトクロスパークの“逆バンク”とよく似ている。スタンディングのまま慎重にひと回り、新春早々、それも一周目から転ぶわけにはいかないでしょ?

ただ、それも二周と持たなかった・・・問題の二周目、奥の林にある、左直角コーナーでの出来事だ。林の底へと続く飛び出し口は、一周目でその“状態”をわかっていたはずなのに・・・。陽の当らない黒光りしたコーナーはまるで氷の上、その立ち上がりだった。慎重に動かしたつもりの右手に、リヤタイヤが恐ろしく敏感に反応する。「あっ」と思った瞬間、すでに真横を向いていたRM。反射的に身体を逆側にねじ込むようにして、何とか転倒は免れたものの・・・フロントタイヤが真っ直ぐアウト側に向いているのはどうしようもなかった・・・。

なすすべなく、そのままコースを飛び出し、アウト側に広がる林の根元へと落ちていくRMとワタシ。幸い、MX408のように池ポチャすることもなく、2mほど落ちたところでRMもろとも転がって停まった・・・2011年の“初転倒”はコースアウトのおまけつき。通り過ぎるライダーに片手を挙げて「大丈夫!」と合図を送るが、さすがにちょっと恥ずかしい・・・すぐにエンジンを再始動してコースに戻っていく。まあ、怪我もなくて・・・何より身内に見られることがなくて・・・良かった!

<まだまだ賑やかな冬フェス・・・次なる“出来事”は次回に>