やっぱりココでなくっちゃ・・・炎の“初乗り” in MX408~その6

この二人を追い上げるには、路面と相談している余裕はない。コーナーでもスロットルを早く大きく開けていくことになり、当然RMの動きも落ち着きがなくなってくる。それをあざ笑うかのように、ラインを交差させて、しなやかに立ち上がる青い車影・・・その二台も奥のフープスでは少し遅れ気味だ。フープスにつながる緩い右コーナーで早めにスロットルを当てて、ホームの“意地”を張ってみせる。滑り出す車体に左足を踏ん張ってみると・・・RMが従順に向きを変えて、すんなり加速を始める。初速が乗ったおかげで、フープスでの“走り”が崩れる始末・・・でも、悪くはない。二人の背中が、一瞬にして近づいてくる。

ビッグテーブルジャンプの進入、ここでも左足が良い“仕事”をしてくれている。力を込めている限り、RMの動きは素直なままだ。“外側の足で踏ん張る”のがいかに大事なことか、改めて思い知らされる。ストレートでの開けっぷりもだいぶ良くなってきて、“直線番長”の面目躍如。その勢いを借って、すぐ目の前を走るマルガリ~さんに仕掛けていった。バーニーさんは、後ろから“様子見”を決め込んでいるようだ。

一時は交わして集団の先頭に立っていたものの、結局チェッカー前にもう一度前に出られて、20分の走行時間が終了。入れ替わりに走り始めたフルサイズマシンを見送りながら、並んでパドックへと引き上げていく4台。手強い二人が相手では思いどおりに走らせてもらえなかったけど・・・気分はえらく爽快だ。

パドックへ先に戻っていたのは・・・iguchi師匠だった。折りたたみの椅子に背中を押しつけるようにして、両足を投げ出している。さすがに“前転”ともなると、無事ではすまなかったみたい。右肘に湿布薬を貼りながらの走行で、ずいぶん辛そうだ。さらに精彩を欠いていたのはokano師匠。自転車とは重量が比べ物にならないCRF150RⅡに苦しめられている様子で、「筋肉痛がひどくなるばかりだ」と嘆きながら、汗を拭っていた。

集中して走れる代わりに、“待ち時間”が気になるのが「クラス分け走行」の残念なところ。ただ、40分の待ち時間も、今日は苦にならない。風もなく、春を思わせる暖かな空気の中、コース脇に行ってフルサイズの走りを見物したり、師匠二人とのんびりパドックで過ごしたり・・・走り終わった後の緊張した身体が緩んでいく、至福の時間になっていた。花粉症のワタシでも、この空気を味わってしまうと・・・早く春が来ないかなーと思ってしまう。向かい合わせで座っていたiguchi師匠、周りで騒ぐ子供たちに不愉快そうに瞳を閉じていると思ったら・・・いつの間にか静かな寝息を立て始めていた。

<仕上げにもう一日通うことになるとは・・・次回“炎の三日目”だ!>