やっぱりココでなくっちゃ・・・炎の“初乗り” in MX408~その7

三日目ともなると、もはや初乗りじゃなくて”合宿”だ。昨日の天気予報では「夜半には雨か雪になるところも」と言っていたから、「もしかしたら・・・」と邪な期待をしていたら・・・完璧な冬晴れ。この時期の関東らしく、強い北風が空を真っ青にしていた。身体は結構くたびれているようで、出掛けるのが昨日以上に遅くなる。元気なのは、“中一日”空いて、マシンも“新車”のryoだけだ。

昨日の賑わいから一転、土が舞うパドックはがらんとしている。受付でBongoの窓を開けると、暖まっていた車内に冷え切った空気が流れ込んできた。「あれ?皆勤賞じゃないですか」と、開け放った窓から申込書を差し入れてくるsaitoさん。「こいつが走りたいって言うから・・・」と、助手席に顎を突き出し、ちょっと怪訝な顔で答える。そう、今日はryoの走りをデジカメで撮影するのが目的で、本気で走るつもりは・・・なかったはずだった。

「あっ、KTMだ」・・・冷気にかじかむ右手で申込書を書いていると、横でryoが騒いでいる。KTM85SX、鮮やかな橙の車体の主はharada師匠だ。その横でCRF150RⅡを準備しているのは・・・kusaba家のお二人。退屈な一日と思われた三日目も、刺激的な展開の予感がしてきた。

三人に会うのは今年初めて。社交辞令ではなく、「今年もよろしくお願いします」と真っ直ぐに気持ちを伝える。KXに続いて、降ろすつもりのなかったRMも、とりあえずパドックへと引っ張り出す。土曜日よりも少ない台数で、すでにフリー走行が始まっていた。先に着替えたryoを一瞥すると、「あれ、着替えないの?」とharada師匠。「ほら、きた」・・・いつもの軽い“詰問”調で迫ってくる。「もちろん着替えますよ」と言い残して、Bongoの荷室に引っ込む。跳ね上がっていたバックドアを閉めると、風の音が切れ、薄暗い静寂に包まれる。スモークガラス越しに勢いよく流れる風が、まるで別の世界の出来事のように瞳に映っていた。

<“合宿”らしく終わる三日目・・・次回ようやく最終話?!>