やっぱりココでなくっちゃ・・・炎の“初乗り” in MX408~最終話

着替え終わって外に出ると、殺風景なパドックに風が音を立てている。harada師匠もkusabaさんもコースの上、奥に向かって甲高い排気音を残していくのは、ryoのKXではなく、harada師匠のKTMだ。素肌が剥き出しになった首筋、触る北風をネックブレースが邪魔をして、一瞬身体が強ばる寒さも和らいだように感じた。

昨日も走っているだけに、RMのエンジンが温まれば一気に速度も上がる。外側の足を意識して右に左に、ひとつひとつのコーナーを“考えながら”回っていく。勢いにまかせた直線と丁寧にたどる曲線。繋がりが悪くてギクシャクするのは、まだ“未熟”だということ。まあ、今年も始まったばかり、これから成長していく“伸びしろ”があると思えば、一年楽しめるかな?

少し成長した姿を見せたくて、近づいてきたKTMの前でも“踏ん張って”みる。レース並の走りを続けるRM、すぐ後ろを“完全射程内”で追走するKTM・・・ヤレたタイヤのせいじゃない、肩を並べて走るには、まだまだ成長が足りないようだ。ひとしきり走りを観察されてパドックに戻ると、「座るのが早い」とharada師匠。もう少しコーナーに入ってから座ると、もっと曲がるはず・・・「うまく曲がらないなー」と思っていたところだけに、うれしいご指摘だ。

吹きすさぶ北風で、観戦エリアに立っているのもままならない。昼のカップ麺を食べ終わると、たまらずBongoの荷室に避難だ。強い風に煽られて時折車体が揺さ振られるのが面白い。思わず振れに合わせて身体を動かして遊んでみたりする。風が届かない車内は、ほんのりとした温もりに満ちていて・・・ryoと二人、仲良く並んでひと眠りしてしまった。

午後になっても冷たい風はそのまま。フィニッシュテーブルをジャンプすれば、正面から思いっきり煽られる始末。「午後一本で帰る」・・・土曜日はバイトに遅刻したryo、今日は遅刻しないようにと、余裕を持って上がる手はずだ。三日間の疲れが太ももを襲い、段々と力が入らなくなってきたけど・・・harada師匠の言いつけを守って、スタンディングで頑張って走る。そんな時だ。奥のストレートに向かう左コーナー、最もイン側に出来たラインにRMを乗せたつもりだったのに・・・フロントタイヤが弾かれて、MX408、今年の初転倒を喫する。左足で思いっきり突っ込んだ水たまり、ただ、ブーツは沈まなかった。折からの寒さで水たまりは“氷結”、あわや池ポチャになるところを“寒さ”が助けてくれた。

harada師匠に及第点をもらって、一足先にコースから引き上げる。途中、お店で大きいお姉さんに新年の挨拶をして・・・一路、埼玉へ。充実した三日間の疲れをryoの運転に癒してもらい、久しぶりに助手席でウトウトしながらの帰宅になった。shandiにbethに・・・」大きい姉さんに渡すCDのセットリストも、まだ夢の中だ。