恵みの雨ならぬ雪!?~最終話2/2

二度目に目が覚めたときは、雪もしっかり止んでいた。二度寝したおかげで、今度は元気に起き上がる。外に出ると、雪に長靴のつま先が隠れてしまうほど。結構積もったものだ。乾燥していたせいか、水分の少ないサラサラした雪。足で蹴ると、白いルーストのように細かな粒になって舞い上がった。“明日”のことを考えて、家の周りの雪かきを始める。雪かきが終わる頃には、空に青さが広がってきた。MX408は雪で“お休み”。こんなことは初めてだけど・・・二日続けて癒されるのも悪い気はしない。

RMに足りなかったミッションオイルと冷却水を満たして、プラグを買いに出かける。Bongoの中には“重石”代わりのKXを積んだまま、幸手ジョイフル本田へと向かう。団地を出ると、表通りはすっかり雪が無くなって、アスファルトも灰色に乾いていた。プラグの他にも蛍光灯の電球やら、メモ帳やら、小物を仕入れて駐車場に戻る。運転席ではなく、陽射しで暖められた荷室に乗り込んで、積んできたKXの外装を取り付けてから、来た道を帰っていく。ガラス越しの強い光に、右の耳たぶから頬にかけて、赤く火照っていた。

バックミラーに映るKXは、黒色が全体を引き締めて、ずいぶんと男前になった。いかにもカワサキのマシンらしい。雰囲気はKX250-F、ちょっと小振りなだけで、“ピン”で見る限り、精悍なフルサイズマシンと引けを取らない・・・ただ、近くで見れば、貼り付けたデカールは空気を噛んでいて、所々指先ほどの空気溜まりが出来ているのだけれど・・・。帰ってからRMのプラグを取り換えて、まだ陽の残っているうちに、やることが無くなった。“何かをする”時間より“何もしなくていい”時間の方が長い一日、日曜日らしいと言えば日曜日らしい。かなり遅い“初雪”に感謝だ!