まだ早かったけど・・・意外と走れた日曜日~“午前中”編1/2

うまく動かない右肩をかばいながら、KXとRMを降ろす。軽い85マシンが、今の右肩には恐ろしく重く響く。フロントブレーキを握る右腕が延び切って、痛みに顔がゆがむ。こんな状態では・・・「大丈夫なの?」とiguchi師匠に言われるまでも無く、不安だらけ。予定どおりに、一本目で一日が終わるかもしれない。

寒さをつのらせる北風と10時までのフリー走行、何より肩の不安が、いつも以上に身支度を遅くさせていた。先に着替えたryoに、肩のサポーターを着けてもらう。ひとりじゃできないのが・・・ちょっと情けない。冷えて乾いた風に、KXの甲高い排気音が抜けていく。上り坂を駆け上がるryoの姿を見てから、ようやくRMのエンジンに火を入れる。

不安を抱えたままにコースイン。とりあえず走れるけど・・・楽しくはない。ただ、先週のようにスタンディングができないわけでもなく、楽しくはないが楽ではある。新品のフロントタイヤも、いい仕事をしているようだ。三周ほど流してから、試しにリズムセクションをとび跳ねてみる・・・フロントから落ちた方が楽なのは意外だった。が、着地の衝撃は、やはり容赦がない。

フリー走行は10時を過ぎても続き、自分のペースで出たり入ったりを繰り返す。ジャンプの着地も足を踏ん張れば何とかなるし、衝撃を加えない限り、右肩も機嫌がいい。気分も調子も乗ってきた時だった。その挙動に、珍しく身体がビクついた。

<続きは次回、“午前中”編2/2で>