武者修行と言うには・・・あまりに情けなく

重たい空。切れ間もなく、見渡す限りの灰色。田んぼの中に続く、細く長いアスファルトは、視線の先で空に同化している。行き先は“谷田部エンジョイスポーツランド”。荷室には#274を付けたRM85L、助手席には紫と黒で塗り分けられたバスケット、中でネロが丸くなっている。後ろには白いハイエースを引き連れて・・・どれもこれもが、いつもとちょっと違う日曜日。芽吹大橋を渡って、県道3号線を右折して・・・初乗りの時に見た温度計は、プラスの4℃だった。

橋の上から見た河川敷、田んぼや道端・・・大きな水たまりを見つけるたびに、不安な思いを募らせては先を急ぐ。コース間近の砂利道でも、水たまりが路肩を落としていて・・・“言い出しっぺ”としてはハラハラしながら、最後の坂道をゆっくりと上がっていく。

灰色の空を背にした冬枯れの木々、地表ギリギリまで水を吸い込んでレンガ色をした路面。これで水たまりがあったら・・・「さようなら」となるところだけど、todaさんが言うには、「水が溜まっているところはまったく無し」。その一言に安心して、パドックの一番奥、枯れ葉が敷き詰められた一角にBongoを停める。少し間を開けて“とんちんかん”のハイエース。昨夜、「遅刻上等メール」を入れてきたiguchi師匠のハイエースは、当然ながら見当たらない。ドアを開け、暖房の効いた車内から外に出てみると・・・スニーカーの靴底が枯れ葉を踏みしめる音によく似合う、冬の寒さだった。

<次回に続く・・・>