ナノハナの季節

春らしい花曇り。太陽が一回りもふた回りも大きくぼやけている。ヒバリがせわしなく羽ばたくのも、いかにも春っぽい。真上にしか飛び上がれないのは、神様から罰を与えられてしまったから・・・と、小学生の時に教えてもらった気がする。騒がしい鳴き声が、落ち着きのない羽音のように、いつまでも頭の上に響いていた。田んぼが乾いた土のままでいられるのも、あと少しだ。

明日のMX408は、二台体制。朝からマシンの整備を始めて、RMのプラグを交換したところで、野暮用をすませにBongoで出かける。江戸川の堤防脇をひた走り、JRの三郷駅まで。太陽は白い雲に包まれ、アスファルトに映る対向車の影も、薄い灰色で輪郭もはっきりしていない。南へ下がるにつれ、土手に緑が増えてくる。車窓からは柔らかな光が入り込み、オイルヒーターのように車内をほのかに温めてくれていた。

野田橋を越えると、今年も菜の花の濃い黄色が土手を覆い始めていた。寒い日が続いたせいで、隙間なく覆うにはまだかかりそうだけど、見える限り先までの黄色が太陽の代わりに周りを明るく色付けている。そんな春の足音に誘われるように、週末、人もクルマも戻ってきた感じだ。明日は少し寒いようだけど、春らしく心賑やかな一日を過ごしたい。そう、MX408で!