跳び出さないのは・・・今日まで~バトル&リタイヤ編

「目に物見せておかないと」・・・このフープスから最終コーナーまでは、iguchi師匠が得意とするところ。どこまで通用するかわからないけど、まずは加速したまま一つ目のコブへ突っ込んでいく。後で聞けば「あんな勢いで突っ込んで」と・・・“勢い”だけで走る#274らしく、“ハッタリ”にはなっていたようだ。

これで追撃開始!と構えていたら・・・どうも喰い付きが良くない。連チャンの一本目じゃ、気合も入らないのかな?拍子抜けしながらも、前だけを見て走る。ラインに被ってくる65マシンに手を焼きつつ、それでもしっとりとした路面はご機嫌で、思いどおりにコーナーを抜けていけるのが面白くて仕方がない。

そんな“一人旅”を決め込んでいる背中に、CRFの排気音が近づいてきた。「ん?来たか?」。てっきりiguchi師匠がせっついてきたのかと思ったら、CRFはCRFでもiguchi車じゃない。“大御所”okano師匠だ。10年後、「ここまで自分は走れるのか?」と感心するばかりのアツい走りで、イン側にフロントタイヤをちらつかせてくる。

okano師匠も連チャンの一本目。それを感じさせない迫力で、RMの背後を攻め立ててくる。年若としては、負けていられない。大好きなアウト側のラインを封印、インベタでコーナーをつないでいく。こうなると、okano師匠も、簡単には前に出られない。おまけにフープスだけはワタシに分があるようで・・・一回目はRM、CRFの順番でパドックへと戻っていった。

先に戻っていたmachi-san。RMに気がつくと、顔をうつむき加減にして左腕で両目を覆い“泣き真似”をしている。ミニモトの難しさを伝えたかったとばかり思っていたら・・・事はもっと重大だった。RMを停めてからmachi-sanの下に行ってみると・・・「エンジン、焼き付いた」と一言。ピストンがシリンダにがっちり食い込んでいるみたいで・・・キックペダルが下りないCRF。手に入れてから、わずか30分余り。あまりにも早過ぎるリタイヤだった。

<まだまだ・・・次回に続く>