4月12日PM

#04:昼下がり

陽射しは力強さを増して、吹き渡る風が冷たかったことさえ忘れさせる。コートを着ていると、日陰だけを歩きたくなるほどの陽射し。光るアスファルトが白くて眩しい。一仕事終えてのティータイムは“VELOCE”。通りに面した席に腰掛けて、ガラス越しの直射日光に背中を預ける。“アイス抹茶ラテ”の甘く粉っぽい喉越しが、火照った肌にちょうどいい。

青が薄くなり、空は白く霞んできた。それでも、晴れ渡っているのに違いは無い。相変わらず右鼻は詰まり気味だ。鼻をすすりながら見上げた空には、半分になった月がうっすらと浮かんでいた。

#05:半蔵門線

丸の内で用事をすませて、帰りは半蔵門線新丸ビルを出て少し歩いたところから地下へ。よどんだ空気が行き交う雑踏に撹拌されて・・・少し息苦しい。曲がったり、上がったり、下がったりを何度か繰り返して、ようやく大手町駅にたどり着いた。改札を過ぎて長いエレベータを降りていくと、やっとホームが見えてくる。

急行の久喜行きに乗り、清澄白河で空いた席に座ってしまえば・・・あとは東武動物公園まで、のんびりと帰るだけ。清澄白河から一緒に座った隣のお嬢さん・・・かなりお疲れの様子で、すぐに夢の中。右に傾いでは直り、左に傾いでは直りを繰り返し、なかなか落ち着かない。膝の上のバッグに載せた腕が落ちる度、ビクッと目を覚ますのが可笑しい。

曲が変わって“I stole your love”。二度目の来日公演でオープニングを飾った、ご機嫌なリフが始まった。いつもは吊り革を掴んでやり過ごす駅が、背中の後ろを流れていく。詰まった右鼻から、つぅーっと鼻水が落ちてきた。