練習という名の週末~初心を忘れてしまったフープス

ゆったりと楽しく過ごせた昼休み、1時を少し回ったところで午後の走行が始まった。フルサイズを2クラス見送ってからの本日最後の一本は、思いがけず暑さと向き合う破目になってしまった。午前中までの「失敗しても跳ぶ」元気は、夏を思わせる強い陽射しにすっかり消し飛ばされる。今年初の“夏日”は、走っているときの方が涼しいぐらい・・・少し早過ぎるような気もするけど・・・。

ヘルメットの中は、きっと真っ赤に上気した顔になっているんだろう。ぼーっとして、頭にも力が入らない。ブレーキをかける、バイクを傾ける、シートに座る、そしてスロットルを開ける・・・一連の動作がバラバラ、しかも、一つ一つの動作が少しずつ遅れている。“夏男”の面目は丸つぶれだ。口は渇ききって、唇だけじゃなく喉の奥も張り付いて・・・気分が悪い。

それでも“意地”でチェッカーまで走ってから、パドックへと戻る。今日のフリー走行はこれでおしまいだ。後は午後のスクールを残すだけ。十分なイメトレで“イケる”はずだった2連ステップアップも、結局は跳べずじまい。せっかくokano師匠がいなくて、いい機会だったのに・・・出し抜くことができなかった。

午後の授業は「フープス」。教えてくれるのは渡辺学選手。ニセじゃなく、本物だ。内容は「2コ2コでクリアしよう!」という、ワタシには「へっ?」と拍子抜けするものだった。だって、それはもう”卒業”したはず・・・。それが、とんだ勘違いだと思い知らされるまでに、時間はいらなかった。お手本と学センセの指導を受けて“2コ2コ”に挑戦だ。ギヤを3速に固定して「えぃ!」。

・・・あれ?おかしいな。跳べなかったぞ。まあ久しぶりだし、1回目だし・・・と、気を取り直して2回目・・・3回目・・・。あれっ?全然跳べてないけど・・・何でだ?そのたびにRMはギャップに落ちたり、コブに突き上げられたり・・・フープスの軌跡に合わせて跳んでいる様子は・・・まったくない。

フープスを得意の“勢い”だけで突っ走っていたのが・・・バレた。弱気なココロに目をつぶって、必死に2コずつコブを跳び越えていたのが嘘のように、まったく跳べない。連続してジャンプする感覚は“完全”に失われている。痛い思いもしながらあれだけ走り込んだのに身体が覚えていないとは・・・どういう理由だ。何度か景気づけに、一番左端の低いところを、勢いにまかせて跳ねてはみたものの・・・・結局、最後までジャンプでキレイにつなげることはできなかった。

合わせるつもりの進入を「速度が足りないなー」とまで言われる始末、ああ情けない・・・。午前中とは違って、かなり沈んだ練習だったけど、スクールらしく“いい勉強”になった。今の走り方は“跳ばない”で走るときの姿勢らしい。跳ぶには、まずは身体でちゃんと跳び上がらないと・・・わかりました!思い出せるかどうか不安だけど(ざりままの笑い声が聞こえてきそう、「やっぱ歳だね!」と)・・・ありがとうございました、渡辺“real”学センセ!

<仕事と同じく“課題”はお持ち帰り・・・日曜日に続く>