練習という名の週末~日曜日3

どこにも余計な力が入っていなくて、跳び上がってからも柔らか・・・それなのに、しっかり飛距離が出ている。半周回って、ストレートの端に立つRMの隣にKTMが寄ってきた。「大きく外から回って、しっかりと加速していけば大丈夫でしょ?」とharada師匠。それができないから訊いたんですけど・・・さて、困った。

肩の力を抜いて、マシンが暴れないように師匠の走りを真似して立ち上がったつもりが・・・完全にショート。さっきよりも届いていない。RMごと地面にめり込むんじゃないかと思うほど強い衝撃が、ヘルメットのてっぺんからハンドルを握る両手、そしてブーツの底へと一気に圧し掛かる。痛っ!どうやら、力だけを抜くのができないようだ・・・力を抜くと、速度まで落ちる。なんてったって“不器用”ですから!

saitoさんのチェッカーに、右の手のひらをブラブラさせてコースを離れていく。RMの上でうなだれながらパドックに戻るのは、昨日と同じだ。気持ちが入り過ぎると、腕とか肩とかに不自然な力が集中して・・・シートに体重が伝わない。だから、すべる気がしてスロットルを開けられない。ならばと、力を入れずにコーナーを立ち上がったつもりが、速度が全く足りずに目標の手前に着地・・・かなり不器用だ。やはり“勢い”しかないか。

ヘルメットを脱いで、“デジャブー”に似た感覚を味わう。ん?何か同じことを繰り返しているような・・・そうだ、昨日のスタート練習だ。「上半身の力を抜いて、尻をシートにドカっと載せていきましょう」・・・すべるRMのリヤタイヤを見かねた辻健センセのワンポイントアドバイス、昨日はうまくできていたのに・・・一晩ですっかり元に戻ってしまっていた。ホントに不器用だ。

harada師匠からも「背筋を真っ直ぐにして、シートにグッと体重を載せていければ」・・・すべらせずに開けていけると言う。そもそもコーナーリングに“難あり”の、厳しくも的確な指導だ。「前にも言いませんでしたっけ?」と、harada師匠。はい・・・前に教えてもらいました。まずは跳ぼうとするよりも、各コーナーの立ち上がりでしっかり加速できるようにする・・・師匠から与えられた、本日の“課題”だ。

<次回に続く>