練習という名の週末~日曜日4

背筋を伸ばして、二本目のコースへと向かう。そのままの姿勢で肩から力を抜けば、RMがフロントタイヤを上げて加速する。路面とリヤタイヤが“摩擦”を起こしているのもシートから伝わってくる。いい感じだ・・・けど、これは真っ直ぐ走っている時の話。ひとたびコースに入ってコーナーとなると・・・なかなかフロントを上げて加速するまでにはいかない。

それでも、背骨をそり返すぐらいの意識でコーナーをたどっていると・・・後ろからCRF150RⅡの重たい排気音が近づいてきた。もう一人の師匠、okano師匠だ。今年は体調も良いせいか、走りに勢いがある。赤いちゃんちゃんこは・・・やはり似合わない。レースを一週間後に控えて、しつこくインを衝いて迫ってくる。そんな師匠の攻めた走りに・・・RMのスロットルを握り直して応じる。

ryoが「とにかく408」と評する路面は、カチカチに固まった土の上に、うっすらと砂がかぶる神経質な路面だ。背筋を伸ばすことに気を取られなくても、自然とスロットルを開けるのが遅くなる。4ストのCRF150RⅡをうらやましく思うのは、こんなときだ。イン側のラインを外して走るRM・・・フープスと不完全なステップアップで引き離そうとするけど、後ろは今日もなかなかに“しつこい”。

「きっと跳ばないだろう」と高をくくっていた2連のステップアップも・・・どうやら跳んでいるみたい。フープスも感覚をつかんだようで・・・これじゃあ詰め寄られるばかりだ。さすがに“師匠”だけのことはある。ギヤを上げ損なったり、リヤタイヤを横滑りさせたり・・・そんな小さなミスも見逃してもらえない距離で、RMが精いっぱいの加速をみせる。何とか師匠の前でチェッカー、後ろを振り向こうとしたら・・・両腕で目いっぱいハンドルを握り締めていた。

tasakiパパの85デビュー話で盛り上がる傍らで、harada師匠がryoのKXに魔法をかけている。サスペンションを“標準”から少し“踏ん張る”設定にしているようだ。ずぼらなTEAMナノハナ、サグは出しても、減衰をいじるのは初めて。横に座っているokano師匠も、オーバーホール後、減衰を調整しながら走っていると言う。えっ?TEAMナノハナ以上に“何もしない”師匠が・・・サスセッティング?!、ちょっと新鮮な驚きだ。

圧縮側を強めた前後のサスペンションは具合がとても良いらしい。ならばワタシのRMもと、harada師匠が直々にセッティングの手ほどきをしてくれた。リヤは1/4ほど締めて、フロントを2クリック強める。ryoのKXほどじゃないけど、“縮み”にくくなった脚は、前に上にとマシンを押し出してくれるらしい。最後の10分に、楽しみがひとつ増えた。

<引き締まった脚で師匠とバトル・・・次回で最後かな?!>