練習ではなくて稽古

85と150だけのフリー走行はひさしぶりだ。もう少し台数がいると楽しいんだけど・・・バラけてしまうと、20分でも出会いが少なくて・・・ちょっと物足りない。ようやく一緒に走れるようになったokano師匠も、ちょうど半分半分の位置にでも居るのだろうか？前にも後ろにも視界の利く範囲に、その姿を見つけることができなかった。ルーストではない砂塵が、風の道を教えてくれている。

#51を着けたCRF150RⅡの代わりに、後ろからやってきたのは橙色の2サイクルマシン。harada師匠のKTMだ。追い越しざま、ワタシに目配せ・・・もちろん断る理由は無い。「どこまで付いていけるかな？」小さくなろうとする背中に向かって、RMのギヤを一速落とす。背筋を気にしているせいか、それほど離されずにコーナーを立ち上がっていく。

付かず離れず。うまいこと車間を調整して走るKTM。RMは引き離されずに付いていくのが精いっぱい。だけど、この“引っ張られていく”感覚はいい。どだい無理しないと付いていけない。“とっちらかる”ちょっと手前、右手が固着したようにグリップを握り締めながら、ひたすらに前を行くマシンを追いかける。風は強く冷たく、時々砂埃を高々と巻き上げて吹き荒れていた。

師匠に稽古をつけてもらったのも、すいぶんひさしぶりだ。パドックに戻り、肩で息をするワタシ・・・師匠は、少しも呼吸が乱れていない。こちらは一本目から「後先考えない」走りを披露したのに。こんなのと一緒にレースかと思うと、ちょっと気が重くなったりもする。・・・と、これがいけなかった。ただ、そう気づかされるのは、午後になってからのこと。いつしか空は高くなって、雨も当分は降りそうにも無かった。

＜いよいよレース?!・・・結果は次回に＞