情けなくて悔しくて・・・

スターティンググリッドは、アウト側の半分。そのアウト寄りのグリッドに収まり、辻健センセに教わったとおりにリヤタイヤを空転させて余計な土を吹き飛ばす。そこで一旦エンジンを停止。N息子が1位でチェッカーを受けると、iguchi師匠からエンジン始動の合図。いつもながら一斉に空吹かしを始めると、ミニモトとはいえ迫力に震える。師匠、本日はスターティングマシンのバーを倒す係のようで、saitoさんがスタート15秒前のボードを掲げる・・・ボードがひっくり返って、5秒前・・・背筋を伸ばして軽く前傾、上半身の力を抜いてスターティングバーの一点を見つめる。

起き抜けのエンジンを少し高めの回転数で固定して、バーが倒れる瞬間を待つ。「じらしても仕方がないじゃん」が口ぐせのiguchi師匠らしく、5秒ちょっとで、ふらっとバーが落ちた。しかしスタートは、“ロケット”のようにはいかなかった。反応は悪くなかったはずなのに・・・出遅れている。フィニッシュのテーブルトップで旗振りをしていたryoが言うには・・・「2/3歩、遅れていた」らしい。“一歩”ほどではないけど、“半歩”よりは遅れている・・・だから2/3歩だとか。うまいこと言うもんだ。その遅れを最小限にして、何とか中段にもぐり込もうと第1コーナーを目指す・・・目指したつもりが、他の5台に比べて、はるか手前で減速を始めるようでは・・・どうしようもない。

上り勾配を最後尾で駆け上がる。まだ差は少ない。ただ、揃ってイン側を抜ける5台は、隙無く立ち上がっていく。元々インを走るのは不得手、そこに出遅れた焦りが上乗せされて・・・すっかり猫背に。自然と上半身が車体の内側に入り込んで・・・一人だけ車体をばたつかせては、スロットルを“開けては戻し”を繰り返す。おかげで、その差は詰まるどころか広がるばかり・・・すぐ前を走っていたはずのN父がひどく遠く映る。得意のアウトで景気良くいきたいところが、濡れたアウトバンクにはタイヤ痕が1本あるだけ。こらえ切れずに突っ込んでいっても、やはり転倒が怖くて直前で減速・・・ちぐはぐ過ぎて、どうしていいのかわからない。

こうなると、強く持とうと思っても、折れるのを何とかするのが関の山。おまけに最終コーナーの立ち上がり、そして上り勾配の途中でRMが真横を向きかけては・・・「気持ちを強く!」と口にするのが空しいくらい。誰から見ても“タレ”た走り・・・否定はできない。勢いが戻るのは最終コーナーから上り勾配まで、周りの視線を感じる間だけになった。結局そのまま、最下位でsaitoさんのチェッカーを受ける。底力だけならいざ知らず、心折れての体たらく・・・イバMOTOの開幕戦は、情けなさと悔しさとが入り混じる“苦い”終わり方になった。

<まだ少し続きが・・・それは次回に!>