サイクリング♪

魅惑の青い空。有り余る光がアスファルトから跳ね返り、出窓のカーテンを開け放つと、一瞬にして部屋が明るくなった。二日続けての“バイク日和”、階段を降りる足音も軽く響いて聞こえる。結局RMもCRFもガレージにしまわれたまま、「さてどうしたものか」と考えながら、シロとネロを連れて出ていった。

彼らにとっては“お散歩日和”、リードを自由に引かせていると、まっすぐ土手へと向かっていく。まあ、急ぐ休日でもない。足を延ばし、除草作業が間に合わず、波打つような緑に覆われた堤防の斜面を目指して歩く。我先にとリードを引っ張るネロ、シロはひさしぶりの散歩道で匂いを嗅ぐのに懸命だ。

こちらも結局、明治大学航空学部に“占拠”されていて・・・河川敷のフリー走行は“お預け”で帰宅になった。でも、平日の朝に比べたら倍以上の距離を歩いて、シロもネロも満足したようだ。家に帰るなり、ゲージのドッグフードには見向きもせず、一心不乱に水を飲み始めた。

サポ、エース、ルフィ・・・原作にはなかった三人の物語を観てから、もう一度陽射しの中に。「5月もまだ半分」が“決め手”となって・・・今日の相棒は、我が家で最もエコな乗り物「BMX」と相成った。EXC-Rの極太リヤタイヤに寄りかかったBMXをひょいと持ち上げて、散歩から帰ってきた道をもう一度たどっていく。立ち乗りしてすぐに「大腿四頭筋」が痛くなってきた・・・単ギヤのBMXで、どこまで行けるのやら・・・。

国道4号線利根川橋を栗橋から古河へと渡って折り返し、くたびれた脚に向かい風が辛い。ところどころで河川敷に下りて遊ぶ元気も、すでに無くなっている。境町で高瀬舟「さかい丸」の船着場を見物しながら小休止。背中が少し汗ばむぐらいで、首筋がべたついたり瞳へ流れたりといった嫌な感じがまったくない。利根川から吹く風は、暑くも冷たくも無かった。

元々座って乗るように設計されていないBMX。サドルも尻に優しくないやつが付いている。座ってもダメ、立ってもダメ・・・ただただ、遠くに見えてきた清掃工場の煙突を励みに、交互にペダルを踏みつける。距離を走らず河川敷でチョイ乗り・・・「今度は絶対そうする!」、そう思わずにはいられない“サイクリング”だった。