遅く起きた木曜日

週の真ん中というには、ちょっと微妙な位置にある木曜日。週末まで「もう少し」と喜ぶ日もあれば、「一日しかない」と焦る日もある。今日は、どっちつかず。どちらかと言えば「一日しかない」と焦るべき巡り合わせだったのに・・・いつもより30分ほど朝寝坊できて、しかもクルマで移動できるとあって、曇天に薄日が射す空模様のように、ちょっぴり浮かれ気分で始まった。

片側一車線の田舎道。信号と信号の間が妙に長いのも、歩いている人がいないのも、どれもこれも見慣れた光景ばかり。そこから、あきれるほどの直線が続く農道へ・・・いつ走っても、地平線の広がりで迎えてくれるアスファルト。三日間の疲れが、シートと背もたれから路面へとこぼれていくようで、この感覚はクルマ通勤ならではだ。電車に座っていても・・・こうはならない。

朝、5分違えば“別世界”になる。それが30分も違えば・・・風も光も色も・・・何もかもが、まるで別のものに映る。日常が、少しだけ崩れた木曜日。真子ちゃんの歌声に包まれた“個室”の朝は・・・いつしか「もう少しで週末!」の明るさに満たされていた。