緑がよく似合う場所

小海線の線路を渡って、すぐに左折。次の交差点を右に曲がって・・・今は「ポール・ラッシュ通り」とも呼ばれる道を上っていく。八ヶ岳公園ラインに出る途中の清泉寮には、雨にもかかわらず、クルマが集まっていた。異国の雰囲気が漂う黒褐色の建物と濃厚な味のソフトクリーム、駅前とは違ってここは、変わらずに愛されているようだ。

八ヶ岳公園ラインに出たら、信号のないT字路を左に・・・そのまま進んでいれば、黙っていても目的地の小渕沢に到着する。時間なのか場所なのか、とにかく雨足は強くなるばかり。眺望抜群の東沢大橋も今日は雨に煙って・・・濃淡も鮮やかな緑の山肌は、白い“面紗”に包まれてしまっていた。

“観音平”の入口を過ぎると、八ヶ岳の中腹から一気に高度を下げていく。警告の標識が立つほど、勾配はかなりきつい。道の駅“小淵沢”まで降りてきたところで、左にウインカーを出す。この界隈も、道の駅だけでなく、“スパティオ小淵沢”なんて洒落た名前のついた温泉と体験工房の複合施設が馴染んでいたりして・・・遠く、初めてここを訪れた日が、急に懐かしく思えてきた。

通りから右に下りる小路は、クルマ一台分の道幅がくねくねと続いている。何度目かの横揺れの先に、ひっそりと佇む木製の看板が見えてきた。うっそうとした緑の枝葉から姿を見せるテラス、そして、黒色に近づき過ぎた濃い茶褐色の柱・・・ペンション“たん歩゜歩゜”は、重ねた年月くらいにはやれているけど、しっかりと昔のままの造作で、Bongoの到着を喜んでくれているかのようだった。

<次回に続く>