梅雨、明けた!~下2/2

それでも何とかフープスまで折り返してきて、S字を抜けた先、キャメルジャンプの斜面にフロントタイヤをこちらに向けたKXがいた。とりあえずマシンを起こしているから、大丈夫のようだけど・・・手のひらを返すような素振りで何か叫んでいる。「ハイサイド」らしい。ここを跳びきるには、それなりに加速が必要だと言っていたから・・・かなり開けていたんだろう。瞬間、横に流れた車体に体が反応して・・・思いっきり左に吹っ飛ばされたようだ。そのまま、ちょうどコースを半周ずれたところを走り続けて、結局、最後は絡むことなく終わり。さすがに体がきついのか、先に上がっていったryoに気がつかず、数周余計に回ってからパドックへと帰っていく。

4時30分。左肩を大きく下げて、ハイサイドの一部始終を詳しく話すryo。かなり痛そうだ。それでも、「跳びきってから戻ってきた」と言うから、無茶というか何というか・・・。二人して、しばらくは何もしないで、汗が引くのを待っている。5時近くになって、ようやく着替え始める。ブーツとサポーターを脱いだ両脚からは、熱気が放出されていくようだ。それでも汗が止まらないから・・・今日の暑さは相当なものだ。マシンと荷物をそれなりに収めて、急いでBongoのエンジンを掛ける。エアコンの風量は“4”、最大だ。上半身をはだけたまま、運転席と助手席とに乗り込み、ゆっくりとパドックを後にする。「課題、残したままだね」、ryoが笑いながらそう話す。こうして帰れるのもひさしぶり、うれしい梅雨明けの一日だった。