夏らしく、アツく!アツく!~その2

アスファルトから受付のログハウスを回り込むように曲がっていく。まだ9時前だというのに、コースを走るマシンの音が聞こえてきた。一台だけ、4ストのくぐもった排気音だ。朝から元気なのは・・・地元の子どもかもしれない。そのまま一段低いパドックへと降りていくと、正面にバックドアをはね上げたVanette・・・さっきmachi-sanと間違えたやつだ。tasaki家の隣にBongoを寄せようとハンドルを右に切り始めた瞬間、ryoが大声を上げる・・・「やっぱり、そうだよ。だって289の胸ゼッケンだよ、あれ」。地元のクルマじゃなくて・・・machi-sanのVanetteだった。

Bongoをハイエースの左横に着けて、tasakiパパとの挨拶もそこそこに、コース脇に駆け寄る。やがて、下りきったマシンが左バンクをかすめ、こちらに向かって立ち上がってきた。CRF150RⅡにANSWERのメッシュウェア、白地にエンジ色の模様は・・・間違いない。テーブルトップを跳び上がってきたマシンに、大きく両手を振って合図する。ヘルメットが数回、上下に動いて、machi-sanがパドックへと引き上げてきた。ゴーグルを外したヘルメットの奥に、懐かしいまなざしが見えていた。

昨夜、いわきに泊まって、朝イチに鮫川入りしたmachi-san。「もう走っていいよ」の声に戸惑いながら、一本目を走り終わったらしい。日の出から日没まで・・・時間じゃないところが、森らしい計らいだ。「ご無沙汰」「ひさしぶり」と、交わす言葉はいつもと変わらないのに、ハツラツと輝いた響きは、森の中だからか?そんな会話を楽しみながら、ガソリンタンクを下ろしたりテントを引っ張り出したり、準備の手だけは休めない。テントで日陰を作ってから、KXとRMを降ろしてやる。RMの黄色いタンクが、夏の陽を受けて、いっそう眩しく光っていた。

<いよいよ“夏合宿”の始まりだ・・・続きは次回に>