夏らしく、アツく!アツく!~その4

まったく湿り気のない、白い土の上。軽く円弧を描いているだけで、スタート地点に土煙が這う。余計なことはひとつもいらない。ただ、スロットルを全開にして、最初の坂を駆け上がるだけ。この潔さが、たまらない。クラッチレバーを離すと同時に、スロットルグリップが回らなくなるまで右手を内側に捻る・・・リヤタイヤが左右に弾けながら、金色の山砂を掻き上げて・・・RM85Lが斜面に挑む。

深い砂に、大きなギャップが埋もれている。避けて上れるラインも見つけられず・・・ミニモトの小さなフロントタイヤは、その度左右に激しく振られて、絞り込んでいた右手が、思わず戻ってしまう。まるでフロントブレーキを握られたかのように、RMが勢いを失う。

下った先の左コーナーは、ひどく乾いていて、固い土に上に砂利が溜まっている。バンクが削り取られて、平らになってしまった右コーナー。もう一度砂利にまみれたコーナーを左に回りながら、ひとつ、ふたつとテーブルを越えていくと・・・高く跳ばされるテーブルトップジャンプ。躊躇しそうな跳び出しの角度は、変わらない。

そのまま、砂の抵抗に負けないようにスロットルを開け気味にして、右へと立ち上がってフープス・・・そして、森の奥へと跳び上がっていって、度胸試しの左90°ターン。さすがに一周目は、全開とはいかなかった・・・。

イン側に太い枝が倒れかかっているのを気にしながら、坂に乗り上がる。ここから、異なる斜度が組み合わさった長い下りだ。ちょうど真ん中、「走りたい」ラインの上に、はっきりとした窪みが見える。等間隔に並んでいるのが嫌らしい。ここで転ぶと、かなり痛そうだ。

前につんのめらないように、腰から体を後ろに引いて、坂を下りていく。ただ、日陰のこの辺りが、一番土の具合が良さそうだ。茶色に湿った路面を抜けると、白くさらっとした砂に覆われた左コーナー。ここで下りも終わって、トランポの前、長いテーブルトップを跳んでいけば・・・再びスタート地点だ。一瞬だけ半クラッチを当てて、エンジン回転を引っ張り、右手は全開に。二周目から本気で走り出す。“ブル”で均された前回と違って“雑”な感じ・・・それも悪くはない。

<これだけ居れば身内でバトルも・・・次回に続く>