Summer Vacation~8/8

朝の雲はいつしか消えて、ビジネスホテルの小さな窓いっぱいに、青が広がる。高山の駅舎の屋根が、白く光始めた。出発を前に二人の悩みは・・・経路。7時を過ぎても、まだ決められないでいる。平日の今日、富山市街を抜けて、そのまま8号線を北上するのは、クルマの列にはまりに行くようなもの・・・「日本海が見たい」と言うryoが予定を変更して、結局、来た道を松本まで戻ることにした。せっかく予定を変えたのだから・・・できれば渋滞にはまることなく、標高1000mくらいのところを行ったり来たりして、涼しく走っていたい。

ryoに付き合わされて、今日は渋温泉までの移動。九つの外湯で厄を落とすと言われる、信州の名湯だ。海まで出なくなったから、100km以上は、距離が短くなった計算になる。そのせいで出発が遅れに遅れて・・・午前8時、ようやくEXC-Rが通りに出ていった。今日からは、後ろにXR230が一緒だ。いったん国道41号線まで出て、二台のタンクにガソリンを満たして、平湯を目指す。昨日曲がってきた交差点を、昨日とは逆に右へと入っていく・・・。

朝の太陽が、山に表情を与えている。昨日は土砂降りで煙っていた平湯の街も、光にあふれている。まばらな人影も、目の前に手をかざして、眩しそうにしている。昨日は楽しめなかった安房峠を、昨日とは逆側から駆け上がっていく。薄暗さと目映い光が交互に現れては、どんどん高度が上がっていく。峠も近い、短い直線。ここまで上がってくると、空も近くて、透きとおった緑が、新緑を思わせるほどみずみずしい・・・“ここ”をやり直したのは、正解だったようだ。

<ryoのおかげ?!で、初の渋温泉。話の続きはまた次回に>