2011夏~RIDE DAY 3

## Thinking Ptolemaic theory in lunch time

昨夜のうちに茹で上げたそうめんは、コシが無くなっていて・・・・ブツブツとちぎれてしまう。それでも、氷水で割っためんつゆにつけて、ズズッとすすれば、火照った体も冷めていくようだ。太陽が少しずつ居場所を変えるおかげで、Bongoの後ろにあった日陰がだんだんと追いやられていく。その昔、陽射しの先にある丸いお日様を見て・・・「動いている」と思ったのは、当然かもしれない。今のワタシにも、イスの下にある大地ではなく、空の太陽が動いているとしか思えないくらいだから・・・。狭まり、逃げていく日陰を追うようにして、ryoと二人、落ち着き場所を移していく。気がつけば、隣のマイクロバスとBongoの狭間まで追われていた。そんな昼食のひととき、例の“インチキおにいさん”が、カメラ片手に登場。軽口を叩いては、賑やかに去っていく・・・こんな時間があるから、RIDE DAYが好きだ。

## Standing

「シートに座るのをもっと奥にして、コーナーの先を見るようにして走ってみましょうか」・・・肩を負傷した益春菜選手に代わって、スクールの講師を務める星野優位選手。その彼の一言に、“スクール大好きっ娘”、ざりままのヘルメットが大きく傾げる。プロアマ問わず、誰に聞いても同じことを言うから・・・正しいことには間違いない。ただ、相変わらず、頭でわかっていても・・・の状態。とくにスタンディングは、思いとは裏腹、コーナーの奥どころか、ブレーキングが終わった途端に座って・・・これじゃあ、うまく走れるわけがない。「城北Rのkuboさん、立ったまんまなんだよ!」と、さっきryoが感心していたっけ・・・。午後からは「スタンディングに気をつけて走るか」と、コースを離れてRMのそばへと帰っていく。一度脱ぎ捨てた装備を再び準備、ジャージに袖を通して身支度を始める。汗と埃と井戸水を吸い込んだジャージは、うまく肌をすべってくれず・・・メッシュの生地が伸び切って、破れそうになる。

## Johoku R

今年はKidsばかりで、ミニモトの大人が少ない。会えるのを楽しみにしていたuchinoさんもshow-gも・・・今年は姿がない。そんな中、短い時間だけど、抜群の存在感で走りを披露してくれたのが・・・KTM85SXを駆る城北Rのkuboさんだった。走り出してしまえば、木陰のコースは暑さも気にならず、体も言うことを聞いてくれて、失われたひと月はだいぶ取り戻せたみたいだ。気分良く“自己ベスト”な走りをしていると、後ろから2サイクルの音が迫ってきた。「ryo?!」と一瞬思ったけど・・・近づいてくる“速さ”が、まるで違う。音も、少しだけ柔らかい。背後に付かれて、次の瞬間には・・・刺されていた。お世辞にも“細い”体じゃないのに、後ろ姿は、すっきりと細く長い。コーナーにして数個分、どこまで着いていけるかわからないけど・・・その背中に学ばせてもらうとしようか!

## Riding School

奥の林へとつながる、短いストレート。まずは、スタンディングで加速していく“背中”に脱帽だ。その後、90°の左ターン。乾いているとは言え、細かな砂が吹きだまりのように溜まる路面は、進入に気を遣わされる・・・そこへ、まさに“立ったまま”近づいていくkuboさん。「これか!?」と見とれていると、コーナーの頂点まで、そのままだった。座ってからも、動きが速い。すぐさま加速を始めたKTM85SXが、シングルジャンプを跳び降りていく。後に続くRM85Lとは、着地点に、車体半分以上の開きがあった。そこから何とか食らいついて、4連ジャンプへの入り方と、コーナーをつなげたライン取り・・・そして、フープスでの体の動きまでを、目に焼き付ける。その先、バックストレートからホームストレートに抜けていく間に、その背中を捉えることができなくなっていた。ワタシにとっては、とても短い、それでいて充実した“スクール”だった。

<最後の“かけら”がひとつ・・・それは次回に>