ピンピン!そして、新しき好敵手!?~start

台数調整で、レース一番手だったはずの「スーパー85/150クラス」は、ワタシが走る「サンデー85/150クラス」と混走になった。午後のレースは・・・繰り上がって、一番速い「フルサイズオープンクラス」からだ。散水直後じゃなくなって、ryoは少しホッとしている。気温の上がらない昼下がり・・・午前中、最後の練習走行から2時間ぐらい経っての10分+1周だ。

フルサイズオープンクラスの後、コースでは、110クラスの激走が続いているのに・・・早くからエンジンを掛けて、冷えきったエンジンを暖める二人。サイレンサーから吐き出される白煙が薄くなって見えなくなるまで、しつこく右手を動かし続ける。混合気を薄く設定しているRMは、暖機をサボったおかげで、何度かスタートに失敗したことがあるから・・・余計に右手を煽る。

遠くからCRF150RⅡの連続した排気音が、コースへと近づいていく。スターティンググリッド一番乗りは・・・ざりままのようだ。「さっき、足台置いてたからなー」と、ryoが呟く。いつもなら練習走行もサボり気味なのに・・・今日は最後まで走り切っていたっけ・・・。この夏はずいぶん走り込んでいるし、かなり気合が入っているのかもしれない。

先にエンジンを回し始めたryoが、一足早くパドックからコースへと走る。saitoさんの「7分が経過して・・・そろそろL1かぁ」の声を聞いてから、ヘルメットを被りグローブをはめるワタシ。コースにサイレンサーを向けたRMを、右に旋回させて、スターティンググリッドへと走らせる。キャブレターの設定がぴったり合っているのか、右手に抜群の反応を示して加速していく。

今日のグリッドは、スターティングバーを下ろす小屋の左側、第一コーナーから見るとアウト側を使っている。4ストミニも合わせて3クラス混走の3組目、グリッドはにぎやかだ。ただ、すでにほとんどが埋まっているのに・・・小屋のすぐ隣、一番良い場所が空いていた。スタート直後のラインもまっすぐに伸びていて・・・何かイケそうな気がするグリッドだ。

少し迷ってから、この“特等席”に収まってみる。以前、ここで教わったとおりにリヤタイヤを空転させて、背筋を伸ばして、準備は万端。前を向くと、たっぷり敷き詰められたもみ殻が、第一コーナーを回り込むまでを金色に光らせていた。「ちょっと近いかな・・・」。エンジンを停めて視線を下ろした時、いつもよりバーが近く見えていた。この時に、気づくべきだった・・・。

<スタート5秒前。そして、5秒後に起こったのは・・・次回に続く>